ソフトウェア開発の切札の1つとして定着しつつあるデザインパターンであるが、それとて万能ではなく使い方を誤るとむしろ有害になってしまうこともある。本書はそういった過ちを体系化して「逆デザインパターン」としてまとめたものであるといえる。かといって筆者らはデザインパターンの研究者であり、デザインパターン自身を否定しているわけではない。類書に「デスマーチ」(トム・デマルコ)などがあるが、本書の方が実装に近い部分での問題をとりあげていると思う。はじめの150ページほどをデザインパターンそのものの解説に充てているが、それだけではとうてい理解できないものなので、いっそこの部分はなくても良いように思う。なかなか本題に入らないので飽きてしまうからだ。ただ、本書の面白味を理解するにはデザインパターンの知識は必須である。
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